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療育手帳の取り方と判定基準【A判定・B判定の違いを実体験で解説】


「療育手帳って、どうやって取るの?」

長男の障害が分かったとき、最初に思ったのがこれでした。

手帳があると支援が受けやすくなると聞いたけど、どこに行けばいいのか、何を持っていけばいいのか、まったく分からなかったんです。

この記事では、療育手帳の取り方・申請手順・A判定とB判定の違いを、実際に取得した経験をもとに解説します。


療育手帳とは

療育手帳は、知的障害のある方が取得できる福祉手帳です。

身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳とは別の手帳で、知的障害に特化しています。

手帳を持つことで、手当の受給・税の軽減・交通機関の割引など、さまざまな支援につながります。

名称は自治体によって異なります。東京都の「愛の手帳」、青森県の「愛護手帳」など、別の名前で呼ばれることもありますが、同じ制度です。


対象者

知的機能に障害があり、日常生活に支障がある方が対象です。

年齢制限はなく、子どもから大人まで取得できます。

発達障害(自閉症スペクトラム・ADHDなど)でも、知的障害を伴う場合は対象になります。


A判定・B判定の基準

療育手帳は、知的障害の程度によって、重度のAと、それ以外のBに分かれます。

ただ、調べてみると「Bは中度〜軽度でIQいくつまで」と国が決めているわけではありませんでした。順番に整理します。

国の基準:Aだけが決まっていて、Bは「A以外」

療育手帳は、実は法律で決まった制度ではありません。もとになっているのは、昭和48年に国が出した通知です。厚生労働省は、この通知を「ガイドライン」と説明していて、細かい基準は都道府県などがそれぞれ決めています。

国の通知が示している基準は、次のとおりです。

区分国の基準
A(重度)①IQがおおむね35以下で、食事・着替え・トイレ・洗面などに介助が必要、または異食・興奮などの行動がある
②IQがおおむね50以下で、目・耳・体の障害もある
BAにあてはまらない人(IQの数字は決められていない)

都道府県で区分がちがう

基準を決めるのが都道府県なので、区分の分け方もバラバラです。

地域区分
東京都(愛の手帳)1度・2度・3度・4度
埼玉県Ⓐ・A・B・C
大阪府A・B1・B2
香川県○A・A・○B・B
青森県(愛護手帳)A・B
鹿児島県A1・A2・B1・B2

国の会議資料でも、自治体ごとにばらつきがあり、引っ越すと判定が変わる可能性があると指摘されています。いま、全国で基準をそろえるための検討や、新しい判定方法の試行が進められていますが、いつから変わるかは決まっていません。

鹿児島県の場合(うちの長男はA2)

わが家が住む鹿児島県は、4つの区分です。

区分程度
A1最重度
A2重度
B1中度
B2軽度

うちの長男は、6歳の再判定で中度から重度に変わり、今はA2です。

県の公式ページには、区分ごとのIQの表は載っていません。県の資料から読み取れるのは、A1が「IQおおむね20以下相当」、医療費助成の条件として「IQ35以下=A1・A2」とされていることくらいでした。

IQだけでは決まらない

判定は、IQの数字だけで機械的に決まるわけではありません。

日常生活でどのくらい手助けが必要か、行動面で気をつけることはあるか、といった点もあわせて、総合的に判断されます。たとえば大阪府の基準には、IQが51〜75でも、生活での介助がたくさん必要ならAになる組み合わせがあります。

判定するのは誰?

等級は、児童相談所(18歳以上は知的障害者更生相談所)の専門の職員が決めます。保護者の申告だけで決まるわけではなく、面接・知能検査・生活状況の聞き取りをもとに判断されます。鹿児島県の案内では、知能検査はおおむね2時間ほどかかります。


申請から取得までの流れ

① 市区町村の窓口に申請

まずお住まいの市区町村の障害福祉課に行って、申請書を提出します。

持ち物の目安:

  • 申請書(窓口でもらえる)
  • 写真(縦4cm×横3cm程度)
  • マイナンバーカード or 通知カード
  • 印鑑

医師の診断書は不要な場合がほとんどです(判定は児童相談所が行うため)。ただし自治体によって異なるので、事前に確認を。

② 児童相談所で判定

申請後、児童相談所(18歳未満の場合)または知的障害者更生相談所(18歳以上) から連絡が来て、判定の日程を調整します。

判定当日の流れ:

  1. 知能検査(田中ビネー式・WISC-Ⅴなど)
  2. 生活状況の聞き取り
  3. 専門判定員による面接

子どもが小さい場合や、検査への協力が難しい場合でも、生活状況の聞き取りをもとに判定してもらえます。

当日はドキドキでした。

受付を済ませると、先生と看護師さんがいる部屋に通されて、先生が優しく話しかけながら診断がスタート。お絵描きをしたり、置いてあるおもちゃに興味を示すかどうかなど、本人の自然な過ごし方を見ながら診断が進んでいきました。

「検査」と聞くと身構えてしまいますが、子どもがリラックスできるような雰囲気で、親としても少し安心できました😊

③ 手帳の交付

判定結果が出たら、市区町村から通知が来て手帳が交付されます。

申請から交付まで、おおよそ1〜2ヶ月程度かかることが多いです。


AとBで使える支援の違い

「AとBで、何が変わるの?」がいちばん気になるところだと思います。

鹿児島県の「療育手帳の福祉的援護制度」(令和8年4月1日現在)などをもとに、主なものをまとめました。制度は自治体によって違うので、鹿児島県の例として見てください。

支援AとBのちがい
特別児童扶養手当A・Bとも対象になりうる(等級は診断書で判定。月額1級58,450円・2級38,930円)
障害児福祉手当県の一覧の目安はA1(実際は診断書で判定。月額16,560円)
税の障害者控除A:特別障害者(所得税40万円・同居なら75万円)
B:障害者(所得税27万円)
JRの運賃割引A:本人と介護者1名が、距離に関係なく5割引
B:本人が1人で片道100kmを超えて乗るとき5割引など
高速道路の割引A:介護者が運転する場合だけ5割引(事前の手続きが必要)
B:対象外
NHK受信料A:本人が世帯主で受信契約者なら半額
A・B共通:世帯全員が住民税非課税なら全額免除
自動車税の減免(鹿児島県)A:対象になる場合がある
B:対象外
重度心身障害者医療費助成(鹿児島県)A:対象(所得制限あり)
B1:身体障害者手帳3級もある場合のみ
携帯電話・タクシーの割引などA・B共通

Aのほうが使える支援は多いですが、Bでも使えるものはたくさんあります。 税の控除、携帯電話の割引、タクシーの割引、1人で遠くへ出かけるときのJRの割引などは、Bでも使えます。

「手帳の等級」と「手当の等級」は別もの

ここは、私もよく誤解していたところです。

特別児童扶養手当と障害児福祉手当は、療育手帳を持っていることが条件ではありません。手当の等級は、医師の診断書で別に判定されます。手帳があると、診断書の代わりに使えるなど、手続きが進めやすくなる、という関係です。

だから、AでもBでも「手帳の区分だけで、手当がもらえる・もらえない」とは決まりません。

実際、うちの長男はA2で、県の一覧の目安(A1)にはあてはまりませんが、障害児福祉手当を受けています。

手当の金額・所得制限については、こちらの記事にくわしくまとめています。

→ 特別児童扶養手当など障害児の手当・支援まとめ【2025→2026年度 改定情報あり】


更新について

療育手帳には有効期限があります。

更新(再判定)の間隔は自治体によって違います。鹿児島県では、年齢に応じて2〜10年ごとで、35歳以降に更新した場合は、その後の更新は不要とされています。成長によって知的機能が変化することがあるため、更新のたびに再判定が行われます。

等級が変わることもあります。うちの長男は、6歳の再判定で中度(B)から重度(A)に変わりました。そのときの気持ちと、実際に何が変わったかは、こちらに書いています。

→ 療育手帳の再判定で、中度から重度に変わった話

療育手帳は、更新の通知が来ない自治体も多いので、有効期限は自分で管理しておくのがおすすめです。

→ 療育手帳の再判定を忘れて期限切れ。判定日は4ヶ月先だった話


まとめ

  • 療育手帳は知的障害のある子どもが取得できる福祉手帳
  • 申請先は市区町村の障害福祉課
  • 等級は児童相談所の判定で決まる。国が決めているのはAの基準だけで、区分の分け方は都道府県ごとに違う
  • Aのほうが使える支援は多いが、Bでも税の控除や各種割引は使える
  • 手当の等級は、手帳とは別に診断書で判定される

「うちの子が対象になるか分からない」と感じたら、まず市役所に相談することをおすすめします。窓口で話すだけで、次のステップが見えてきます。

制度を知っているかどうかで、受けられる支援が大きく変わります。


金額・制度は2026年度(令和8年度)時点の情報です。制度改定により変更になる場合があります。詳細はお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

参考にした資料


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