こどもNISA、障害のある子の口座は作るべき?10月受付開始を前に知っておきたい2つのこと
5月に、こどもNISAの記事を書きました。
「お金は万能の道具。使い道が決まっていなくても、積み上げておけば安心」
そう締めくくった記事です。
あれから制度の中身が固まってきて、2026年10月1日には口座の受付が始まります。
で、改めて調べ直してみたら…
障害のある子の口座には、作る前に知っておきたいことが2つありました。
結論から書きます。
- 引き出すには、子ども本人の「同意」が必要
- 18歳になると、口座のお金は子ども本人の財産になる
- 作るなら、証券会社は楽天証券かSBI証券の2択
- わが家の結論は「まずは親のNISAを満額に。こどもNISAはそのあとでも遅くない」
重度知的障害の長男を育てているパパとして、正直に書きます。
10月1日から、何が始まるの?
こどもNISAは、2027年1月に始まる子ども向けのNISAです。
その口座の受付が、2026年10月1日から始まります。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券、三菱UFJ eスマート証券など、主要なネット証券がそろって受付開始を発表しています。
制度のポイントはこんな感じです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 0〜17歳 |
| 年間の投資上限 | 60万円 |
| 保有できる上限 | 600万円 |
| 買えるもの | 長期の積立に向いた投資信託のみ |
| 引き出し | 12歳以降、条件つきで可能 |
| 18歳になったら | 大人のNISAに自動で移行 |
注意したいのは、10月1日はあくまで「申込の受付開始」ということ。
実際に積み立てられるのは、2027年1月からです。
もうひとつ。楽天証券もSBI証券も、子どもの口座を作るには親の証券口座が先に必要です。
親が口座を持っていない証券会社だと、まず親の口座開設からスタートになります。
ここ、あとで証券会社選びの話でも効いてきます。
障害のある子の口座、気になったことが2つ
①引き出すには「本人の同意」が必要
こどもNISAは、ジュニアNISA(2023年に終了)より使いやすくなったと言われています。
ジュニアNISAは、原則18歳まで引き出せませんでした。
こどもNISAは、12歳から引き出せるようになります。
…と、ここまでは良い話なんですが。
金融庁の資料には、こう書かれています。
12歳以降において、子の同意を得た場合にのみ、親権者等による払出しを可能とする。
(金融庁「令和8年度税制改正について」)
引き出すときの条件は、使い道が子どものためであること。
そして、子どもが同意したことを示す書面を出すこと。
読んだ瞬間、長男の顔が浮かびました。
長男は重度知的障害と自閉症で、特別支援学校の小3です。
「いやです」と「バツ」は、はっきり伝えてくれます😂
でも、12歳になったとき、「お金を引き出すことに同意します」を書面で示せるのか。
正直、今の時点ではわかりません。
金融庁の資料には、障害などで意思を示すのが難しい子どもの場合の特別なルールは、書かれていませんでした。
制度が始まるのは2027年1月。細かい運用は、これから決まる部分もあると思います。
気になる方は、口座を作るときに証券会社へ確認してみてください。
ポイント:「引き出せない」と決まったわけではありません。「どう扱われるか、まだわからない」が今の正確なところです。
②18歳で「本人名義の財産」になる
もうひとつは、18歳になったときの話です。
こどもNISAは、18歳になると大人のNISAに自動で移ります。
口座の名義は、最初から子ども本人。
つまり、積み立てたお金は18歳の時点で「子ども本人の財産」として、はっきり形になります。
多くの家庭では、何も問題ありません。
でも、重度の知的障害がある子の場合、ここで出てくるのが成年後見制度です。
18歳で親権がなくなったあと、本人が自分でお金を管理するのが難しい場合に、家庭裁判所が選んだ後見人が財産を管理する仕組みです。
調べていて、同じ立場の親御さんが書いたnoteを見つけました。
子ども名義の資産が大きくなると、弁護士などの専門職が後見人に選ばれやすくなり、その報酬が本人の資産から払われ続けるのでは…という心配が書かれていました。
参考:ジュニアNISAが、うちの障害児の将来を食いつぶすかも…と気づいてしまった話(みおさんのnote)
成年後見制度は、一度始まると、基本的に本人の判断能力が回復しない限りやめられません。
「将来のために」と積み立てたお金が、その後の管理費で少しずつ減っていく。
そういう可能性があることは、知っておいたほうがいいと感じました。
もちろん、後見人がつくかどうか、報酬がいくらになるかは、家庭ごとの事情で変わります。
家族信託や任意後見など、別の方法を考える家庭もあります。
ここは司法書士や弁護士などの専門家に相談する領域なので、この記事では「こういう論点がある」までにしておきます。
じゃあ、作らないほうがいいの?
ここまで読むと、「じゃあやめとこう」となりそうですが…
そう単純な話でもないんです。
こどもNISAの良いところは変わりません。
- 運用で増えた分に税金がかからない
- 非課税の期間に期限がない
- 18歳以降も、大人のNISAとしてそのまま育て続けられる
長い時間をかけてお金を育てられる制度であることは、確かです。
大事なのは、メリットとリスクの両方を知った上で決めること。
わが家はこうします
わが家の結論です。
まずは、親のNISAを満額にすることを最優先にします。
ここでいう満額は、親のNISAの生涯の枠、1,800万円のことです。
こどもNISAの口座を作るのは、親のNISAが満額になってからでも遅くない。
私はそう考えています。
理由はシンプルで、この記事で書いた2つの心配が、親のNISAならそもそも起きないからです。
- 引き出すのに、子どもの同意はいらない(親が自分の判断で売れる)
- 名義は親のまま。18歳で子どもの財産になることもない
- 枠も大きい。親のNISAは年360万円・生涯1,800万円、こどもNISAは年60万円・600万円
お金に名前は書いてありません。
親の口座で育てたお金も、子どものために使えます。
こどもNISAは、親の枠を使い切ったあとの「追加の非課税枠」くらいに考えています。
もちろん、親名義のお金も、いずれは相続で子どもに渡る日が来ます。
そのときの渡し方(遺言や家族信託など)は、また別の論点として、専門家に相談する領域です。
作るなら、どこで作る?
結論:楽天証券かSBI証券のどちらかにしてください。
いちばん大きい理由:親の口座とそろえられる
さっき書いたとおり、楽天証券もSBI証券も、子どもの口座を作るには親の証券口座が必要です。
だったら、親子で同じ証券会社にそろえるのがいちばんラク。
ログインするのも、積立額を見直すのも、1か所で済みます。
「どこが1円お得か」より、「親子まとめて、無理なく続けられるか」。
長く続ける制度だからこそ、ここが一番大事だと思っています。
ほかにもある、2社を選ぶ理由
- 手数料が安い:投資信託を買うときの手数料は、どちらも無料です
- 品ぞろえが多い:投資信託の取り扱い本数はどちらもトップクラス。低コストの人気ファンドもそろっています
- 使っている人が多い:手続きで迷っても、検索すれば同じことをやった人の情報がすぐ見つかります
- 生活の「経済圏」に合わせられる:楽天ユーザーなら楽天証券、三井住友カードやVポイントを使っているならSBI証券
大人のNISAなら、クレカ積立でポイントも貯まります。こどもNISAでクレカ積立が使えるかは、各社の発表待ちです。
わが家は楽天経済圏なので、楽天証券一択でした。
私自身、楽天証券でeMAXIS Slim S&P500をコツコツ積み立てています。
SBI証券は使っていませんが、三井住友カードを使っている方なら、こちらが合うと思います。
ほかの証券会社を選ばない理由
誤解のないように書いておくと、ほかの証券会社が悪いわけではありません。
「わが家の選び方には合わなかった」という話です。
- マネックス証券:米国株に定評のある会社ですが、こどもNISAで買えるのは投資信託だけ。その強みが活きる場面ではありません
- 三菱UFJ eスマート証券:au PAYカードや三菱UFJカードで積み立てる方には合います。楽天経済圏のわが家だと、ポイントが分散してしまいます
- 松井証券:歴史があって安心感のある会社です。ただ、ポイントまわりでは2社に一歩ゆずる印象です
- PayPay証券:少額から手軽に買えるのが魅力。でも毎月コツコツ積み立てるこどもNISAでは、その手軽さが活きにくいです
証券会社を増やすほど、管理は分散します。
子育てで忙しい親ほど、口座は1か所にまとめたほうが続けやすい。
2社に絞っておすすめするのは、そのためです。
注意:画面の一番上に出てくる会社が「正解」とは限らない
最近、ちょっと気になったことがあります。
住信SBIネット銀行の証券口座開設の案内を見たら、一番上に表示されていたのがマネックス証券だったんです。
調べてみると、住信SBIネット銀行は2025年10月にNTTドコモの子会社になり、2026年8月3日に「ドコモSMTBネット銀行」へ社名を変えていました。いまは「ドコモの銀行」というブランドです。
そしてマネックス証券も、2024年1月からドコモのグループ会社です。
銀行の名前から「SBI」が消えて、グループも変わった。口座開設の入口の並びも、それに合わせて変わってきているのかもしれません。
これから証券口座を作る方は、画面の一番上に出てきた会社をそのまま選ぶのではなく、楽天証券かSBI証券か。
これだけは忘れないでください。
何を買う? 世の中のお金も「低コスト」に動いています
こどもNISAで買えるのは投資信託だけ。
つまり、「どのファンドを選ぶか」がほぼすべてです。
ちょうど先日、象徴的なニュースがありました。
日本経済新聞(2026年9月15日)によると、株式に投資する投資信託の純資産総額で、指数に連動する「インデックス型」が、プロが銘柄を選ぶ「アクティブ型」を初めて上回りました。
支持されている理由は、運用コストの低さ。全世界株式、いわゆる「オルカン」の人気が押し上げたそうです。
どちらが儲かるかは、誰にもわかりません。
ただ、コストは確実にかかるもの。
長い時間をかけて積み立てるなら、低コストのものを選ぶ意味は大きいと思っています。
手数料って、実際いくら?
「低コスト」と言われても、ピンとこないですよね。
数字で見てみます(2026年9月時点)。
まず、証券会社に払うお金。
| かかるお金 | 楽天証券・SBI証券 |
|---|---|
| 口座開設・口座管理 | 0円 |
| 投資信託を買うときの手数料 | 0円 |
つぎに、ファンドを持っている間にかかるお金です。
「信託報酬」といって、ファンドの中から毎日少しずつ差し引かれています。
人気の全世界株式・S&P500のファンドだと、最安クラスはこのあたり。
かっこの中は、100万円を1年持ったときのコストです。
| ファンド | 信託報酬(年・税込) |
|---|---|
| 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド | 0.0561% (約561円) |
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 0.05775% (約578円) |
| 楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド | 0.077% (約770円) |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.0814% (約814円) |
100万円を預けて、1年のコストが1,000円以下。
ちなみに私が積み立てているeMAXIS Slim S&P500は、年0.0814%です。
楽天・プラス・オールカントリーは、販売しているのが楽天証券だけのファンドです。
出典:日本経済新聞の投資信託データ(2026年9月18日基準)。信託報酬は運用会社の判断で変わることがあります。
ポイント:どのファンドを選ぶかは、ご家庭の方針で決めてください。この記事は特定の商品をおすすめするものではありません。
まとめ:やることは3つ
- 障害のある子の口座は、「本人の同意」と「18歳で本人名義になる」の2点を知った上で決める
- 作るなら、親の口座とそろえて楽天証券かSBI証券
- 急いで子どもの口座を作るより、まずは親のNISAを満額に
5月の記事では「積み上げておけば安心」と書きました。
その気持ちは、今も変わりません。
ただ、障害のある子の場合は「積み上げたお金を、将来どう使えるか」まで考えておく必要がありそうです。
わが家の答えは「まずは親のNISAから」。
焦らず、一緒にコツコツいきましょう🌱
参考にした資料
- 金融庁「令和8年度税制改正について」(PDF)
- SBI証券「こどもNISA」口座開設の事前受付を2026年10月1日より開始
- 楽天証券【こどもNISA】10月1日(木)より口座開設受付開始!
- ドコモSMTBネット銀行 商号変更に関するプレスリリース
- 日本経済新聞「株式投信、指数連動型が初の過半に」(2026年9月15日)
- 日本経済新聞 投資信託コストデータ:楽天・プラス・オールカントリー/eMAXIS Slim 全世界株式/楽天・プラス・S&P500/eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
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