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そもそも「控除」って何?特別障害者控除を障害児パパがゼロから整理した【年末調整の書き方つき】


年末調整の書類が配られる季節になりました。

うちは毎年、重度知的障害の長男を「同居特別障害者」として申告しています。

でも、「控除ってそもそも何?」「なんでこんな制度があるの?」と聞かれたら…正直、うまく説明できる自信がありませんでした。

なので今回、国税庁や財務省の資料を読みながら、ゼロから勉強し直しました。

結論から書きます。

  • 控除は「税金を計算する前に、所得から引ける金額」のこと
  • 療育手帳A(重度)の子と一緒に暮らしていれば「同居特別障害者」で、所得税75万円・住民税53万円を所得から引ける
  • 16歳未満の子どもでも使える。年末調整の書類に書くだけ

同じように「毎年なんとなく書いてるけど…」という方と一緒に、順番に整理していきます。

そもそも「控除」ってなに?

ひとことで言うと、税金をかける前に、所得から差し引ける金額です。

税金は、もらったお給料そのものにかかるわけではありません。ざっくり、こんな順番で計算されます。

  1. お給料(収入)
  2. → 会社員なら「給与所得控除」を引いて「所得」になる
  3. → そこから、家族の状況などに応じた「所得控除」を引く
  4. → 残った金額(課税所得)に税率をかけて、税金が決まる

特別障害者控除は、この3番目の「所得控除」のひとつです。

ここで大事なのが、控除は「税金が75万円安くなる」わけではないということ。

「税金をかける元の金額が75万円小さくなる」だけで、実際に減る税金は「75万円 × あなたの税率」です。

たとえるなら、割引券ではなく「かごから商品を抜いてからレジを通す」イメージ。抜いた分の値段そのものではなく、それにかかるはずだった税金が浮きます。

控除にはどんな種類があるの?

所得控除にはいろいろありますが、財務省の資料では、家族や本人の状況に応じた「人的控除」を大きく2つに分けています。

分類主な控除考え方
基礎的な人的控除基礎控除・配偶者控除・扶養控除誰にでもある、暮らしのための最低限のお金への配慮
特別な人的控除障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除本人や家族の特別な事情への配慮

障害者控除は、ひとり親控除などと同じ「特別な人的控除」のグループです。

「みんなに共通する生活費」とは別に、「特別な事情でかかる負担」に目を向けた控除、という位置づけですね。

障害者控除は3段階ある

障害者控除は、障害の重さと暮らし方で3段階に分かれています。

区分控除額と主な対象
障害者所得税27万円・住民税26万円
療育手帳B、身体障害者手帳3〜6級など
特別障害者所得税40万円・住民税30万円
療育手帳A、身体障害者手帳1・2級、精神障害者保健福祉手帳1級など
同居特別障害者所得税75万円・住民税53万円
特別障害者の家族と、いつも一緒に暮らしている場合

療育手帳については、国税庁が「A(マルA、A2など)と表示されている人は特別障害者」と明記しています。

うちの長男は6歳の再判定で重度(A判定)になったので、特別障害者です。そして家で一緒に暮らしているので「同居特別障害者」になります。

押さえておきたいポイントは3つです。

  • 判定は12月31日の状態で見る。年の途中で手帳が取れた・判定が変わった場合も、その年の12月31日時点で判断します
  • 「同居」は、ふだん一緒に暮らしていること。施設に入所している場合は同居にあたらない扱いとされています(長期入院は同居のまま)
  • 手帳がなくても対象になる場合がある。国税庁の基準では、児童相談所などで知的障害と判定された人も含まれます

16歳未満の子どもでも使えるの?

使えます。ここ、意外と知られていないポイントです。

16歳未満の子どもには、扶養控除(38万円)がありません。子ども手当(今の児童手当)ができたのにあわせて、なくなりました。

なので「うちの子は小さいから控除は関係ない」と思いがちなんですが…

国税庁のページには、こうはっきり書かれています。

障害者控除は、扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます。

(国税庁 タックスアンサー No.1160 障害者控除)

扶養控除と障害者控除は、別々の控除です。長男は8歳ですが、障害者控除はしっかり使えます。

なんで特別障害者控除があるの?

ここが、今回いちばん知りたかったところです。

財務省の資料を見ると、障害者控除は一度にできたのではなく、段階的に手厚くなってきたことがわかります。

年できたこと
1950年(昭和25年)障害者控除ができる
1968年(昭和43年)重い障害の人向けに「特別障害者控除」が上乗せされる
1982年(昭和57年)一緒に暮らして支える家族向けに「同居特別障害者控除」が上乗せされる

この流れを見ると、国は少しずつ、

  • 障害が重いほど、負担が大きい
  • 家で一緒に暮らして支えるほど、さらに負担が大きい

と認めて、上乗せしてきたと読めます。

先ほどの「特別な人的控除」という分類と合わせると、特別障害者控除は「重い障害のある家族を、家で支えている世帯の負担」に配慮した控除、ということですね。

わが家の実感とも重なります。長男は日常生活の多くに介助が必要で、放課後等デイの送迎の調整や預け先探しなど、お金だけでなく時間もかかります。

その負担を、税金の面で少しでも軽くしよう、という仕組みなんだと、今回やっと腹落ちしました😌

実際いくら税金が減るの?

同居特別障害者の場合の目安です。

所得税は「75万円 × 所得税率」、住民税は「53万円 × 10%」で計算します(所得税には、復興特別所得税2.1%も上乗せしています)。

所得税率減る税金の目安(1年)
5%約9.1万円
(所得税 約3.8万円+住民税 約5.3万円)
10%約13万円
(所得税 約7.7万円+住民税 約5.3万円)
20%約20.6万円
(所得税 約15.3万円+住民税 約5.3万円)

所得税率は、課税所得によって変わります。年収そのものではないので、源泉徴収票などで確認してみてください。

税率5%でも毎年約9万円、20%なら約20万円。しかも1回きりではなく、子どもが大きくなるまで毎年続きます。

注:実際の金額は、ほかの控除や住民税の計算の細かいルールで前後します。あくまで目安として見てください。

年末調整では、どこに書けばいい?

書く書類は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」です。

年末調整の時期に、来年分(令和9年分)の申告書が配られることが多いと思います。今年分の内容に変わったところがあれば、今年分も直します。

16歳未満の子どもの場合、書く場所は2か所です。

  1. 下のほうにある「住民税に関する事項」の「16歳未満の扶養親族」の欄に、子どもの名前・生年月日などを書く
  2. 「障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生」の欄で、該当者の「扶養親族」にチェックを入れ、「同居特別障害者」の人数に1と書く。横の「障害者又は勤労学生の内容」の欄に、手帳の種類と交付年月日、障害の程度、子どもの名前、同居していることを書く

たとえば、こんな書き方です。

長男 〇〇(同居) 療育手帳 A 令和〇年〇月〇日交付

国税庁が申告書の記載例を公開しているので、書く前に一度見ておくと安心です。

注意点は2つあります。

  • 夫婦で同じ子を二重に申告することはできません。共働きの場合は、どちらか一方の扶養親族として申告します
  • 年末調整で書き忘れても、あきらめなくて大丈夫。確定申告をすれば、過去5年分までさかのぼって取り戻せます

まとめ:やることは3つ

  • 子どもの療育手帳の判定(A・B)と交付年月日を確認する
  • 扶養控除等申告書の「住民税に関する事項」と「障害者」の欄の2か所に書く
  • 書き忘れた年があったら、確定申告で5年分までさかのぼれる

控除は「税金そのものが減る」のではなく、「税金をかける元の金額が減る」仕組みでした。

そして特別障害者控除は、重い障害のある家族を家で支えている世帯のために、国が段階的に上乗せしてきた控除です。

毎年なんとなく書いていた欄の意味が、少しクリアになりました。今年の年末調整、一緒にしっかり書きましょう🖊️


参考にした資料

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