特別支援学校高等部って、授業料無償化の対象?障害児パパが調べてみた
ニュースを見ていたら、こんな話題が流れてきました。
「2026年度から、高校の授業料が所得制限なしで無償化される」
ふと、長男の顔が浮かびました。
うちの長男は8歳、重度知的障害と自閉症があって、いまは特別支援学校の小学部に通っています。あと10年もすれば高等部です。
「待てよ、長男も将来、特別支援学校の高等部に進む可能性が高いんだけど、この無償化って、うちの子にも関係あるの?」
正直、よく分かりませんでした。そもそも特別支援学校って授業料いくらなんだろう、と思って調べたら、これがけっこう奥が深かった。
今日はその「調べてみた」を、同じように疑問に思っている障害児家庭のパパママに向けて、まとめてみます。
まず、2026年度の高校授業料無償化って何が変わるの?
おさらいから。
これまで高校の授業料には「就学支援金」という国の補助があったんですが、年収910万円という所得制限がついていました。年収がそれを超える家庭は、私立高校はもちろん、公立高校でも授業料を払う必要があったんです。
それが2026年度(令和8年度)から、所得制限が完全に撤廃される予定。
日経新聞の記事や文部科学省の資料を見ると、こんな感じで整理されていました。
| 項目 | これまで | 2026年度から |
|---|---|---|
| 所得制限 | 年収910万円 | 撤廃 |
| 公立高校の支給額 | 年11万8,800円 | 年11万8,800円(変わらず) |
| 私立高校の支給額(上限) | 年39万6,000円 | 年45万7,200円 |
公立は元々ほぼ全員授業料が実質ゼロだったので、所得制限が外れた効果は私立高校に進む家庭で大きいということらしいです。
私立の上限額が45万7,200円まで引き上げられるのは、私立の平均授業料水準に合わせた結果なんだとか。これは知らなかった。
参考:
- 文部科学省「高校生等への修学支援」
- 日本経済新聞「高校授業料、所得制限なく無償化 2026年度から」
本題:特別支援学校高等部は対象なの?
ここからが本題。
うちの長男が将来通う可能性が高いのは、特別支援学校の高等部です。普通科の高校じゃない。
「無償化」というニュースを聞いて、私もてっきり「あ、長男も恩恵あるかも」と思ったんですが、調べてみたら、ちょっと話が違いました。
結論:特別支援学校高等部は、もともと授業料が無償だった
これ、知らない人多いんじゃないでしょうか。私も知りませんでした。
公立の特別支援学校(小学部・中学部・高等部すべて)は、義務教育に準じる扱いで、もともと授業料が徴収されないことになっています。法律で決まっているんです。
つまり、2026年度の所得制限撤廃で「これから新しく無料になる」わけじゃない。元々ゼロのままゼロ、ということ。
「なんだ、うちの長男には特に変化なしか…」と一瞬がっかりしました。
でも、よく考えたらこれ、悪い話じゃないんですよね。元々無料なんだから、所得がいくらだろうと授業料の心配はいらない、ということでもある。
むしろ「知らずにビクビクしてた家庭にとっては、安心材料」とも言える。
じゃあ授業料以外のお金はどうなるの?
授業料がゼロでも、学校生活にはお金がかかります。
- 教科書代
- 制服・体操服
- 給食費
- 修学旅行積立
- 通学費(送迎バス・公共交通)
- PTA会費・教材費
特別支援学校の場合、通学にスクールバスを使う家庭が多いんですが、地域によっては保護者送迎が必要なケースもある。これがけっこう負担になります。
うちの場合、いま小学部でも通学にかかる時間・燃料費はバカにならない。高等部になったら、もっと遠い学校に通う可能性もあります。
ここで救世主になるのが、これも調べて初めて知った制度でした。
就学奨励費という、特別支援学校独自の支援
特別支援学校に通う子どもの保護者には「特別支援教育就学奨励費」という制度があります。
これが地味にすごい。
世帯の所得に応じて、教科書代・学用品費・修学旅行費・通学費・給食費などを一定額補助してくれる制度です。区分は所得に応じて3段階で、所得が低いほど補助率が高くなる仕組み。
| 区分 | 補助の目安 |
|---|---|
| 第1区分(生活保護に準ずる程度) | 全額または高い割合 |
| 第2区分 | 半額程度 |
| 第3区分(一般所得世帯) | 一部補助 |
正確な額や区分は自治体・年度によって変わるので、入学時に学校から案内があるそうです。
私が「これは大きいな」と思ったのは、通学費が補助対象に入っていること。地方在住で送迎が必要な家庭にとって、これは本当に助かる。
参考:
- 文部科学省「特別支援教育就学奨励費」
ちなみに就学奨励費は、2026年度の高校授業料無償化とは別枠の制度。無償化のニュースには出てこないけど、特別支援学校に通う家庭にとってはこっちの方が日常的に効いてくる制度なんです。
これは記事にする価値あるな、と思いました。
私立通信制を選ぶ障害児家庭の場合は?
ここも調べてみて「なるほど」と思った点。
最近、発達障害や不登校の子向けに、サポート体制を整えた私立通信制高校が増えています。次男(6歳・特別支援学級)の将来を考えるときに、私もちょっと意識している選択肢です。
私立通信制は、まさに2026年度の無償化が効いてくる領域。
これまで所得制限で対象外だった家庭も、所得に関係なく年45万7,200円までの就学支援金が出る。私立通信制の授業料は学校によって幅がありますが、年間30万〜50万円台のところが多いので、ほぼ授業料分が支援金で賄える計算になります。
ただし注意点。
- 入学金・施設費・教材費・スクーリング費は支援金の対象外
- 学校によって追加の費用(コース別料金など)がある
- 通信制サポート校(学校教育法上の高校ではない)は対象にならない
「無償化=全部タダ」というわけじゃない。ここは冷静に見ておきたいところ。
うちの長男は重度なので私立通信制という選択肢は現実的じゃないですが、軽度〜中度の障害があるお子さんの進路を考えている家庭にとっては、2026年度の無償化で選択肢が広がるのは確かだと思います。
現8歳の長男が高校生になる頃のシミュレーション
ここで実体験ベースで、ざっくり計算してみました。
長男が高等部に入るのは2036年頃。10年後です。10年後に制度がどうなっているかは正直分かりませんが、現行制度のまま続いたと仮定して。
| 項目 | 金額(年) |
|---|---|
| 授業料 | 0円(特別支援学校はもともと無償) |
| 教科書・学用品 | 就学奨励費で一部補助 |
| 給食費 | 就学奨励費で一部補助 |
| 通学費(スクールバスまたは送迎) | 就学奨励費で一部補助 |
| 修学旅行積立 | 就学奨励費で一部補助 |
| その他(PTA・行事費等) | 数千円〜数万円 |
我が家は中間所得世帯にあたるので、就学奨励費は一部補助の区分。それでも、何も知らずに全部自腹で払うのと、制度を使って一部戻ってくるのとでは、年間で数万円〜十数万円の差になる気がします。
10年後の自分に向けて、ひとつメモを残しておくとしたら、
「長男の高等部入学が決まったら、まず学校から渡される就学奨励費の案内を熟読すること」
これに尽きるなと。
調べてみてのまとめ
最後に、今回調べてみて整理できたことを箇条書きで。
- 2026年度から高校授業料無償化の所得制限が完全撤廃される
- ただし「特別支援学校高等部」は、もともと授業料が無償(法律で)
- 私立高校・私立通信制に進む家庭にとっては、上限45万7,200円の支援金が大きい
- 特別支援学校に通う家庭は「就学奨励費」という別制度をしっかり押さえておくべき
- 授業料以外の費用(教科書・通学費・修学旅行)は、就学奨励費で一部カバーされる
- 「無償化」のニュースで安心せず、自分の子どもの進路に応じて使える制度を調べることが大事
私自身、「高校無償化」と聞いて最初は「うちには関係ないのかな」と思ってしまいました。実際、所得制限撤廃そのものは、特別支援学校高等部に進む長男には直接の恩恵がない。
でも、調べる過程で「就学奨励費」という、もっと身近で実用的な制度を知ることができた。これが一番の収穫でした。
制度って、知らないと損をする。逆に言えば、知っていれば、ちゃんと使える。
10年後の自分のためにも、今日この記事を書き残しておこうと思います。
同じように「うちの子は対象になるのかな」とモヤモヤしている方の参考になれば嬉しいです。