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(更新: 約 13 分で読めます

障害のある子の福祉、お金が足りなくなりそう?財務省のニュースを小学生にもわかるように解説


ニュースを見て、ちょっとドキッとしました。

「財務省、障害福祉の費用抑制求める」

ざっくり言うと、国の財布を管理している財務省が「障害がある人のための福祉のお金が増えすぎているから、減らしていきたい」と言いはじめた、というニュースです。

うちは長男(8歳・重度知的障害)が放課後等デイサービスを使っています。

「これから、サービスが減ったり費用が上がったりするのかな?」と心配になったので、ちゃんと中身を確認してみました。

子どもでもわかるように、ニュースの中身と私の感じたことを、正直にまとめます。


ニュースの中身を一言でいうと

財務省は4月28日の会議で、こう言いました。

障害福祉のサービスにかかるお金が、10年で約2倍に増えました。これは増えすぎなので、ペースを落としましょう。

ソース:財務省 財政制度等審議会 財政制度分科会(2026年4月28日)

「お金がかかりすぎているから抑えたい」という話です。


数字① お金は10年でいくら増えた?

まず、いちばん大きな数字。障害福祉サービスの総費用です。

障害福祉サービス総費用の推移

年度総費用額10年前との比
2015年度約2.0兆円
2024年度4.2兆円約2.1倍(+2.2兆円)
2024年度(障害児サービス含む)5.1兆円約2倍以上

4兆2,000億円って、ピンとこないですよね。

1日に直すと約115億円、1秒で約13万円。1秒に1人分の高級時計を買えるくらいのお金が、誰かの障害福祉サービスのために使われている計算です。

お金は誰が払っているの?

意外と知られていないのが、誰がそのお金を出しているか、です。

出している人割合金額(2024年度)
国(国庫)50%2.1兆円
都道府県・市町村(地方)50%2.1兆円
利用者本人(自己負担)0.3%0.03兆円

つまり、利用者が直接払っているのは1%にも満たない金額。残りはほぼ全部、税金(国と自治体)でまかなわれています。


数字② 放デイの事業所、10年で何倍に?

事業所(サービスを提供するお店)の数も大きく増えました。

児童発達支援(未就学児向け)の事業所数

時点事業所数営利法人の割合
2016年3月1,438件36%
2025年3月9,160件49%
増加倍率約6.4倍+13ポイント

放課後等デイサービス(小〜高校生向け)の事業所数

時点事業所数営利法人の割合
2016年3月1,449件25%
2025年3月5,440件66%
増加倍率約3.8倍+41ポイント

特に放課後等デイサービスは、株式会社などの「営利法人」が運営する割合が10年で41ポイントも増えました。

「ビジネスとして儲かる」と判断した会社が次々に参入してきた、ということです。


数字③ 児童発達支援にかかるお金(年度別の変化)

財務省の資料には、年度ごとの細かい数字も載っています。

児童発達支援の総費用額(年度別)

年度総費用額
2015年度677億円
2017年度923億円
2019年度1,140億円
2021年度1,708億円
2023年度2,395億円
2024年度2,732億円

2015年→2024年で、約4倍に増えています。

放課後等デイサービスも同じくらいのペースで増えていて、2024年度は約4,030億円規模になりました。


数字④ 事業所は儲かっているの?

ニュースでよく出てくる「収支差率」という言葉。

これは「事業所がどれくらい儲かっているか」を表す数字です。

収支差率の比較(2024年度)

種類収支差率
中小企業(参考:一般のお店)約3.8%
障害福祉サービス全体の平均4.6%
児童発達支援(全体平均)7.6%
放課後等デイサービス(全体平均)6.0%
児童発達支援(営利法人だけ)9.1%
放課後等デイ(営利法人だけ)7.6%

一般の中小企業の収支差率と比べると、児童発達支援や放デイは2〜2.4倍ほど儲かっている計算になります。

もっと注目すべき数字:就労継続支援B型

財務省が特に問題視しているのが、こちらです。

就労継続支援B型(利用時間別)の収支差率

平均利用時間収支差率
2時間未満22.0%
2〜3時間17.2%
3〜4時間15.4%
4〜5時間9.9%
5〜6時間7.9%
6時間以上7.1%

利用時間が短いほど儲かっている、というデータ。財務省は「時間が短いのにこんなに儲かるのは制度のゆがみでは?」と問題視しています。


数字⑤ どの種類のサービスに営利企業が増えた?

財務省の資料には、サービスごとに営利企業(株式会社など)が何倍に増えたかも載っています。

営利企業の参入倍率(2016年3月との比較)

サービス営利企業の増加倍率
グループホーム12.01倍
就労継続支援B型6.92倍
生活介護3.45倍
居宅介護1.36倍
重度訪問介護1.20倍
施設入所支援0.00倍(減少)

特にグループホームは10年で12倍。

「ビジネスとして儲かる分野」と「あまり儲からない分野」がはっきり分かれている、ということがわかります。

ソース:福祉新聞WEB「財務省、障害福祉の費用抑制求める」(Yahoo!ニュース)


数字⑥ 質のチェックは追いついている?

事業所が4倍・6倍と増えているのに対して、自治体が行う運営指導(チェック)は追いついていません。

運営指導の実施率

サービス実施率
全体平均16.3〜18.8%
グループホーム31.6%
放課後等デイ12.2%

厚生労働省は本来「3年に1回はチェックする」という指針を出していますが、それに追いついていない状況です。

そして虐待の件数も増えています。

障害福祉サービスでの虐待件数

件数
2014年311件
2024年1,267件
10年での増加約4.1倍

事業所の数の増え方とほぼ同じペースで、虐待の件数も増えてしまっています。


数字⑦ ニュースで話題になった大規模不正

つい最近、こんな事件もありました。

2026年3月27日、大阪市で就労移行支援に関する不正請求が発覚。

不正に請求された金額は約111億円。272名の利用者が関わる、過去最大規模の不正請求でした。

「お店が儲かりすぎる仕組み」が、こうした不正にもつながっている可能性があります。


なぜお金が増えたのか?理由は3つ

財務省は、お金が増えた理由として3つを挙げています。

  1. 障害福祉サービスを使う人の数が増えた
  2. ひとり当たりにかかるお金が高くなった
  3. 営利事業者(株式会社など)の参入が増えた

特に3番目がポイントです。

「儲かるからお店が増える → 全体の支出が膨らむ」という流れになっています。


私たち利用者にとっては、悪い話だけ?

正直に書くと、この話は片面だけ見るとよくありません。

しかし、両側を見るとちょっと違ってきます。

心配な面

  • 国がお金を抑えたいと言っているので、将来的に利用料が上がる可能性はゼロではない
  • 報酬体系が見直されると、儲かりにくくなった事業所が撤退するケースが出るかもしれない
  • 配置基準(スタッフの人数ルール)が厳しくなれば、運営できなくなる事業所も出る

良い面もある

  • 質の悪い事業所(とりあえず預かるだけ、療育の中身がない)がふるい落とされる可能性
  • 真面目にやっている事業所が評価されやすくなる方向
  • 「儲かるから」という理由だけで参入してきた事業所が減れば、本当に必要な家庭に行き渡りやすくなる

私としては「制度をちゃんと回すための見直しは必要」と思っています。

ただし、いきなり利用者の負担が増えるような形にはなってほしくない。それが本音です。


親としてどう備える?

ニュースを受けて、私が考えたことを書きます。

今すぐ何かが変わるわけではない

これは「会議で議論された」という段階です。実際に制度が変わるとしても、2027年度以降の調整で動きが出てくる可能性が高いと思います。

慌てる必要はないです。

通っているデイの「質」を改めて見てみる

報酬体系の見直しで、「質を細かく評価する」と財務省は言っています。

「ただ預かるだけ」の施設より、「療育・支援の中身がしっかりしている」施設の方が、これからは残りやすくなる可能性があります。

うちが通っているデイは、子どもにとって何をしてくれているか。それを改めて見てみる機会にしました。

国の動きをアンテナを張って追う

放課後等デイサービスや児童発達支援は、3年に1回くらいのペースで「報酬改定」というルール見直しがあります。

次の改定で何が変わるか、利用者として把握しておくと安心です。


まとめ:怖がらず、知っておくこと

このニュースを読んで一番大事だと思ったのは、「知らないままでいない」ということです。

国は今、福祉のお金の使い方を考え直そうとしています。

その中で、私たちの子どもが使うサービスがどうなるか。

利用者の声が届かないと、机の上だけで決まってしまう可能性もあります。

「どんな見直しをしてほしいか」「使っている側として何に困っているか」を、SNSやブログでもいい、声を出していくことに意味があると思いました。

子どもの福祉は、私たち親の声がつくっていきます。

このブログも、その小さなひとつになれたらいいなと思って書いています。


ソースまとめ


本記事は2026年5月時点で公開されている報道・政府資料を基に書いています。数字は財務省 財政制度等審議会 財政制度分科会(2026年4月28日)の資料から引用しました。今後の制度変更については最新情報をご確認ください。


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